ドコモ光など「光コラボ」と呼ばれる光回線は、実はどれも同じフレッツ光の回線を使っています。
しかし、選ぶプロバイダーやルーターによっては、通信速度が遅く感じることがあります。
今回の記事では、
- ドコモ光の通信速度はどのくらい?
- 安定した高速通信のためにできることは?
- どういった点がプロバイダー選びのポイントになるの?
このような点を、「GMOとくとくBB」を2年間使用している筆者の意見や、他のユーザーのスピードテスト結果をもとに解説します。
ドコモ光の通信速度はどのくらい!?
インターネット接続で一番大事なのは、安定性で、その次に来るのが通信速度ではないでしょうか。
ドコモ光の通信速度は、最大スピードが1Gbps(ドコモ光10ギガの場合は10Gbps)とされていますが、これはあくまでスペック上の最大値なので、実際の通信速度を反映しているものではありません。
他社光回線サービスと同様に、ドコモ光の通信はベストエフォート型になっているので、同時に利用しているユーザーが多いほど混みあってしまい、通信速度が遅くなってしまいます。
最良の条件がそろわないと最大限のスピードを出すことはできないということです。
実際の通信速度は、当サイトや実際に使用している人のスピードテスト結果を参考にしてみましょう。
自宅での速度がどのくらいの速さなのか、「Speedtest by Ookla」というサイトで測定できます。
プロバイダー全体での平均値
「みんなのネット回線速度」というユーザー参加型のサイトで、ドコモ光の朝・昼・夕方・夜・深夜の5つの時間帯別に、2020年6月中旬から9月中旬の3カ月の平均値を調べてみました。
時間帯 | ダウンロード速度 | アップロード速度 |
---|---|---|
朝 | 285.06Mbps | 200.14Mbps |
昼 | 253.1Mbps | 192.26Mbps |
夕方 | 224.12Mbps | 188.19Mbps |
夜 | 168.7Mbps | 174.46Mbps |
深夜 | 269.2Mbps | 202.53Mbps |
20万件以上の測定結果から判定されている結果なので、信憑性は高そうです。
ドコモ光では、プロバイダーや回線状況、使用端末、自宅の状況などによって異なってきますが、使用しているプロバイダーやルーターの違いも通信速度に影響してきます。
プロバイダーは、インターネットに接続する入口のような存在で、インターネット接続に不可欠です。
建物の入口が混雑すると入りづらくなるように、プロバイダーの提供しているサービスは、通信の品質やスピードに直結するのです。
ドコモ光では24社からプロバイダーを1つ選ぶことになるのですが、特に人気のある3つのプロバイダーの測定結果を紹介します。
プロバイダー「GMOとくとくBB」で実際に測定(筆者使用中)
「GMOとくとくBB」は、GMOインターネット株式会社のプロバイダーです。
実際に筆者もGMOとくとくBBを2年間使用しています。

筆者がドコモ光でレンタルしているONUとルーター
筆者が時間帯別に測定した結果はこちらです。有線LANで測定しています。
時間帯 | ダウンロード速度 | アップロード速度 |
---|---|---|
朝 8時頃 | 354.56Mbps | 374.37Mbps |
昼 12時頃 | 361.68Mbps | 394.61Mbps |
夕方 18時頃 | 393.67Mbps | 399.67Mbps |
夜 22時頃 | 393.20Mbps | 392.07Mbps |
深夜 1時頃 | 231.74Mbps | 402.55Mbps |
実際に筆者はドコモ光のプロバイダーに「GMOとくとくBB」を導入しています。
日々スピードテストを実施しているのですが、みんなのネット回線速度で記録されているドコモ光のプロバイダー全体の速度よりも高速なスピードが出ています。
プロバイダー「OCN」の場合
「OCN」は、NTTコミュニケーションズのプロバイダーです。
プロバイダーとしては日本最大規模を誇ります。
「みんなのネット回線速度」で通信速度の平均値を調べてみました。
時間帯 | ダウンロード速度 | アップロード速度 |
---|---|---|
朝 | 281.83Mbps | 193.43Mbps |
昼 | 239.32Mbps | 186.69Mbps |
夕方 | 218.54Mbps | 171.69Mbps |
夜 | 150.81Mbps | 155.52Mbps |
深夜 | 259.99Mbps | 196.41Mbps |
プロバイダー「ぷらら」の場合
「ぷらら」は、NTTドコモグループのプロバイダーです。
プロバイダー業だけでなく、光テレビなども運営しています。
「みんなのネット回線速度」で通信速度の平均値を調べた結果が以下となります。
時間帯 | ダウンロード速度 | アップロード速度 |
---|---|---|
朝 | 248.69Mbps | 181.7Mbps |
昼 | 232.94Mbps | 162.34Mbps |
夕方 | 222.49Mbps | 178.16Mbps |
夜 | 173.82Mbps | 164.16Mbps |
深夜 | 263.88Mbps | 194.67Mbps |
「OCN」と「ぷらら」は、ほぼ変わらない平均速度となっていますね。
エリアによって通信速度は異なる点に注意
時間帯別の通信速度を見ましたが、実はエリアによっても通信速度は異なります。
光回線のエリア内であっても、プロバイダー、光ファイバーや建物の状況、ユーザー数などによって、通信速度の差が出てきます。
速度に定評がある「GMOとくとくBB」は、公式サイトでエリアごとの平均速度を公開しているので見てみましょう。
この数値は「GMOとくとくBB」を使っているユーザーの中で、スピードモニターとなっている2,174件の2019年11月16日~2020年9月30日の実測値の平均となっています。
「GMOとくとくBB」のホームページには、地域別の通信速度が掲載されています。
実際に計測されているスピード結果の平均値を掲載できるということは、それだけ通信速度に自信があるから可能なことと言えるでしょう。
ドコモ光でスピードアップ!おさえたい5つのポイント
ドコモ光でスピードアップするためのポイントをまとめてみました。
v6プラスに対応したプロバイダーを選ぶ
v6プラスは従来型のインターネットとは違う接続方式なので、混む時間帯でもスムーズな接続が可能になります。
ドコモ光で高速通信するために、v6プラスに対応したプロバイダーを選ぶ必要があります。
v6プラスではない従来の接続方式では、ユーザーが多い時間帯に、インターネットの接続速度が遅くなることがあるのです。
自動車を運転している際に、高速のジャンクション付近で渋滞が生じたりするのをイメージすると分かりやすいかもしれません。
Wi-Fiルーターはv6プラスに対応している?
Wi-Fiルーターには、高速通信規格「v6プラス」や「IPv6」に対応しているものと、していないものがあります。
v6プラス(IPv4 over IPv6)やIPv6は、IPv6環境で通常インターネット通信を行いつつ、従来のIPv4アドレスを使った通信もできるようにしています。
IPv6というパケットの中に、IPv4パケットを含んでいて利用する形です。
こういった形にするためには、プロバイダーだけでなく、ルーターもv6プラスや、IPv6に対応している必要があります。
プロバイダー | ルーター | 参考価格 | 無線LAN 最大速度 | 無線LAN 通信規格 |
---|---|---|---|---|
\ おすすめ! /GMOとくとくBB | BUFFALO製 WSR-2533DHP3 | 8,883円〜 参照: 価格com ※2020年12月2日時点の価格 | 1,733Mbps | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
NEC製 Aterm WG2600HS | 6,460円〜 参照: 価格com ※2020年12月2日時点の価格 | |||
ELECOM製 WRC-2533GST2 | 8,197円〜 参照: 価格com ※2020年12月2日時点の価格 | |||
OCN | ドコモ光ルーター01 | 7,040円 参照: ドコモオンラインショップ ※2020年12月2日時点の価格 | 867Mbps | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
ぷらら | ドコモ光ルーター01 | 7,040円 参照: ドコモオンラインショップ ※2020年12月2日時点の価格 | 867Mbps | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
BIGLOBE | NEC製 Aterm WG1200HS3 | 6,578円〜 参照: 価格com ※2020年12月2日時点の価格 | 867Mbps | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
@nifty | ELECOM製 WRC-1167GS2H-B | 5,839円〜 参照: 価格com ※2020年12月2日時点の価格 | 867Mbps | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
BUFFALO製 WSR-1166DHPL | 5,478円〜 参照: 価格com ※2020年12月2日時点の価格 | 867Mbps | IEEE802.11a/b/g/n/ac | |
DTI | ELECOM製 WRC-1167GS2H-B | 5,839円〜 参照: 価格com ※2020年12月2日時点の価格 | 867Mbps | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
hi-ho | ELECOM製 WRC-1167GS2H-B | 5,839円〜 参照: 価格com ※2020年12月2日時点の価格 | 867Mbps | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
IC-NET | IODATA製 WN-AX1167GR | 4,980円 参照: Amazon ※2020年12月2日時点の価格 | 867Mbps | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
NEC製 PA-WG1200HP3 | 7,000円〜 参照: Amazon ※2020年12月2日時点の価格 | |||
NEC製 PA-WG1200HS3 | 6,578円 参照: 価格com ※2020年12月2日時点の価格 |
※表示料金は全て税込となります。
v6プラス対応のルーターは、高性能なものが多いのですが、特にGMOとくとくBBのルーターは、最新機種となっています。
バッファロー製 WSR-2533DHP3は、内蔵された4本のアンテナが様々な向きや角度の端末を広くカバーし、安定した接続を提供しています。
NEC製 Aterm WG2600HSは、NECの独自技術を搭載し電波の強度が高く、安定した高速通信を可能にしています。
エレコム製 WRC-2533GST2は、寝室にルーターがある人にちょっと嬉しい機能を搭載しています。
夜間にルーターのランプがチカチカしているのが気になることがありませんか!?このルーターには、遮光パネルがついているので、点滅しても気になりません。
【Wi-Fiの通信規格に注意】v6プラスと11acを使う
v6プラスはインターネットの接続方法ですが、v6プラスの速さを最大限利用するには、無線LANも高速な通信規格を選ぶ必要があります。
無線LANの通信規格には、「11a」「11b」「11g」「11n」「11ac」「11ax」などが存在しています。
これらの規格は、利用する周波数帯や最大通信速度などが異なっています。
通信規格 | 周波数帯 | 最大通信速度 | 策定年月 |
---|---|---|---|
IEEE 802.11a | 5GHz | 54Mbps | 1999年10月 |
IEEE 802.11b | 2.4GHz | 11Mbps | 1999年10月 |
IEEE 802.11g | 2.4GHz | 11Mbps | 2003年6月 |
IEEE 802.11n | 2.4GHz / 5GHz | 600Mbps | 2009年9月 |
IEEE 802.11ac | 5GHz | 6.9Gbps | 2013年12月 |
IEEE 802.11ax | 2.4GHz / 5GHz | 9.6Gbps | 2020年予定 |
現在メインで使われているのは、IEEE 802.11nとIEEE 802.11acです。
2つの最大通信速度を比較すると600Mbpsと6.9Gbpsで、10倍以上の大きな差がありますよね。
IEEE 802.11acは、5GHz帯の電波を使っています。
2.4GHzの電波はIEEE 802.11の初期から使われているため、Wi-Fiだけでなく、電子レンジなど家電にも使用されています。
5GHzの電波を使っていると、家の中にある他の家電製品などの電波の影響を受けにくいので、安定した通信が可能になります。
ドコモ光で通信速度に満足できていない場合、まずは使用しているルーターの規格を確認してみるのがオススメです。
IEEE 802.11nとIEEE 802.11acのどちらに対応しているのか確認してみましょう。
IEEE 802.11nのみの対応だった場合、IEEE 802.11ac対応のルーターに替えると、大幅にスピードアップできるかもしれません。
LANケーブルのカテゴリーを上位へ変えてみる
インターネットの通信速度は、LANケーブルが大きく影響します。
LANケーブルの規格は、カテゴリーという名で分類されています。
見た目はほとんど変わらないのですが、カテゴリーが違うと性能も異なってきます。
LANケーブルのカテゴリーは、カテゴリー5、カテゴリー5e、カテゴリー6、カテゴリー6A、カテゴリー7、カテゴリー7A、カテゴリー8の7種類が普及しています。
基本的にはカテゴリーの数字が大きいほど、通信速度は速くなります。
古いカテゴリーのLANケーブルを使用すると、通信速度を低下させる可能性があるので、注意しましょう。
カテゴリーがどれなのかは、ケーブルに記載されている内容で確認できます。
カテゴリー名が通常は印字されていて、CAT.5E、CAT.6A、CAT.7といった表示があります。
適切なカテゴリーのLANケーブルを選ぶようにしましょう。
下り1Gbps以上の速度に対応するためには、カテゴリー5e以上のケーブルが必要となります。
速度に不満があればプロバイダーを変更可能
ドコモ光を使っていて、スピードに満足できない場合、プロバイダーを乗り換えてみると良いかもしれません。
ドコモ光と提携しているプロバイダーの数は24社あるのですが、それぞれ特徴やサービスが異なるので、使っているプロバイダーに不満がある場合には、手数料3,000円(税抜)を支払うと変更することが可能です。
通信速度の速さに重点を置いている人には、やはり「GMOとくとくBB」が一番オススメです。
実測値にも表れているように、GMOとくとくBBは速さの点で抜きんでています。
また、「GMOとくとくBB」には、キャッシュバック特典があるのも魅力です。
「GMOとくとくBB」は、開通後すぐにv6プラスが使える状態になっています。
また、v6プラスに対応した高性能ルーターを無料レンタルしています。
「OCN」や「ぷらら」も、ドコモ光を展開しているNTT系なので安心感があり、v6プラスにも対応している人気のプロバイダーとなっています。
まとめ
ドコモ光でどのくらいの速度が出るかという解説と、スピードアップのためのコツを解説してみました。
ドコモ光で速度を出すための重要なポイントをまとめると、
といったことが分かりました。
ドコモ光は、プロバイダーの変更が比較的安価にかつ簡単にできます。
これからドコモ光を考えている人は、まずは「GMOとくとくBB」を使ってみて、問題があれば別のプロバイダーへの変更を考えるというのも良い手段かもしれません。